ワルに学ぶ、儲かる「プライドの捨て方」
逆の立場から見れば、海外の組織は、大人数を集めて現金を引き出させ、お金を持ち逃げされることなくしっかりと金を回収するといった、統率のとれた組織的手法を持ち合わせてはいない。ハッキングなどを行うグループと実行犯、まったく違ったスキルをもつ者が連携した結果の犯罪であるといえる。犯罪集団はお金をだまし取るという共通した目標が一致すれば、体面など気にせずに手を組み合う。
一般のビジネスにおいても、SWOT分析を通じて、自社の販売商品の強みを把握しつつ弱みがあれば、それを克服する方策を検討することが基本だろう。もしその方策が自社内では対応できないものだとすれば、他社との連携を模索することで、シナジー効果を狙うという戦略を取るべきだ。しかし時に、(人の手を借りるといった)体裁の悪さが壁となるかもしれないが、そこは、たとえ相手がライバル会社や下請け会社であっても、プライドを捨てて組むことで、大きな結果が生まれる。
ビジネスパーソン個人においても、同様である。相手が「自分にないものを持っている」と思えば、自尊心などかなぐり捨てて、謙虚に耳を傾ける。それにより、自らをより高い位置にステップアップさせることを期待できる。
組織であれ、個人であれ、プライド・体裁といった壁を乗り越えた先にこそ、シナジー効果を生み出す鍵があるといえる。