「梯子を外された」連合の怒り
10月16日の新潟県知事選では、共産党や社民党、自由党が推薦する米山隆一氏が勝利したが、民進党は推薦を見送って自主投票としていた。また連合新潟は自民党と公明党が推薦した森民夫前長岡市長を支持していた。
ところが突然14日に蓮舫氏が新潟入りして、米山氏を応援したのだ。出馬が遅れた米山氏は序盤こそ劣勢だったものの、泉田裕彦前知事の支援も得て猛烈に追い上げていた。要するに蓮舫氏は勝ち馬に乗ろうとしたのだった。
しかしこれは民進党にとって完全な失敗だった。小沢一郎自由党共同代表からは「勝ちそうだから応援に行くというのは、野党第一党として主体性がなさすぎる。政権をとる気がないのなら、国民に対する背信行為だ。解散する方がいい」と手厳しく批判され、又市征治社民党幹事長からも「民進党は民意を読み誤った」と突き放された。
これらに勝る怒りを示したのが連合だ。
蓮舫氏の新潟入りについて野田佳彦幹事長が18日に謝罪したものの、神津里李生会長は20日の会見で「背信行為だ。我々は梯子を外された」と冷たく言い放った。連合東京の岡田会長に至っては、小池東京都知事に定期的な意見交換を求めて自民党へのすり寄りすら見せるとともに、22日夜に行われた鈴木氏の最終の街宣には顔も出さなかったのである。
こうした党本部の「迷走」ぶりは、様々な憶測を呼んだ。あたかも鈴木氏の足を引っ張るような方針に、「次期衆院選では、蓮舫代表が10区に出馬するつもりではないか」との噂すら流れている。その根拠となったのが、20日の夕方に10区内の小学校で行われた演説会だ。実はこの小学校は蓮舫代表の父親である故・謝哲信氏の母校で、それゆえに党本部から直々に会場の指定があったという。
「椅子を並べてせいぜい300席の小学校の講堂を会場にするには、弁士が安住淳代表代行、長妻昭東京都連会長代行、辻元清美衆院議員、山尾志桜里国民運動局長など、非常に豪華。長島昭久衆院議員もいた。不自然すぎる」
演説会に参加した地元関係者はこう訝る。ちなみに、24日の会見で野田佳彦幹事長は「鈴木氏は次につながる選挙をやった。次に当選させるのが蓮舫代表の役目だ」と述べている。