「最初の変わり者」を受け入れる柔軟性を

若新雄純(わかしん・ゆうじゅん)
人材・組織コンサルタント/慶應義塾大学特任講師
福井県若狭町生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程(政策・メディア)修了。専門は産業・組織心理学とコミュニケーション論。全員がニートで取締役の「NEET株式会社」や女子高生が自治体改革を担う「鯖江市役所JK課」、週休4日で月収15万円の「ゆるい就職」など、新しい働き方や組織づくりを模索・提案する実験的プロジェクトを多数企画・実施し、さまざまな企業の人材・組織開発コンサルティングなども行う。
若新ワールド
http://wakashin.com/

しかし、田舎の「余白」や「不完全さ」を楽しむことができるような若者は限られているかもしれません。ネット上にも、「イケダハヤトだから田舎でも生きていける」というようなコメントはたくさんあります。高い技術や能力を持っているだけではなく、強い好奇心や独立心もなければならない。正直言って、安定志向の若者に田舎への移住は向いていないと思います。

でも僕は、それで良いのではないかと思っています。鯖江市に「ゆるい移住」政策で移住してきたメンバーの1人は、「田舎に移住するというのは、ベンチャー企業で働くようなもの」だと言いました。確かに、「ベンチャー」としての田舎を求め、それを楽しむことができるような若者は、極めて異端な人物だったりするようです。それ故に、地域との摩擦や衝突も避けられません。

実際に鯖江でも、「外から来てくれるのはうれしいけど、もうちょい普通の人が良かったな」という声も聞こえてきます(笑)。しかし、彼らのような「変わり者」を受けいれることができれば、それをきっかけに地域の中に柔軟性が生まれるはずです。そして、外から若者を受けいれる土壌が少しずつできていくはずです。土壌ができれば、そこには新しい人材が流れ込むやわらかい環境もできていきます。

イケダ氏は講演の中で、「システムでは、地域に若者を集め続けることはできない。人が人を呼ぶしかない」と言いました。つまり、「最初の変わり者」を地域が受けいれ、付き合っていくことができれば、それを起点にして「もうちょい普通の人」も集まってくるのではないでしょうか? ベンチャーが、「普通の会社」に育っていくように。

それでも、都会からは離れたいけど、「ベンチャー」な田舎はちょっと怖い、という人だってたくさんいると思います。それなら、人口が50万人くらいまでの中堅都市にいけばいいだけのことなのです。

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