殺人事件のおよそ半分は「家族間殺人」
左上にあるのは、家族という回答が少なく、政府機関という回答が多い国。まさに「社会(公)」型の保育の国で、先ほどみたスウェーデンはその典型です。右下はその反対で、「家族(私)」型の保育の国。日本は、このタイプに含まれます。
北欧諸国は「社会型」で、家族の絆(役割)を重視するアジア諸国は「家族型」であると(他の先進国はその中間)。しかしまあ、きれいなクラスターに分かれるものですね。ちなみに図中の斜線は均等線で、この線より上にある場合、「家族<政府機関」を意味します。
今の日本の状況ですが、昔と違って小規模化や核家族化が進行し、家族のチカラは弱体化してきています。にもかかわらず、「幼子や老人の面倒は家族が見るべし」という意識は旧態依然のまま。
このギャップによって、虐待や介護殺人といった家庭内の悲劇が生じているともいえます。最近の日本では、殺人事件のおよそ半分は家族間殺人です。逆説的ですが、家族は恐ろしい。家族の構造変化を踏まえ、日本の保育や福祉も「私」型から「公」型へと移行すべき時期にきているように思います。
図1の図法は、大量ケースの2変数のデータを表現するのに便利です。例えば、うどんと蕎麦の消費支出額のマトリクスの上に、47都道府県を配置してみると、「うどん型/蕎麦型」の地域タイプが出てきます。読者の皆さんが仕事でマーケティングの重点エリアを定めるのにも役立つのではないでしょうか。