本格的な商談が始まって、相手の感触を確かめたいときは、「何か気になることはございませんか」と聞きましょう。相手が言いにくいなと思っていることを話しやすくさせるためです。

私は商談の際、「あいうえお」を大切にしています。“あ”は相槌、アイコンタクト、アスク(問いかけ)、“い”は一生懸命、“う”はうなずく、“え”は笑顔、“お”はオウム返し、終わりまで聴く。相手の話をしっかり聴くために必要な心がけです。

ここまで商談相手に響く言葉の使い方を説明しましたが、相手の話をきちんと聴くということは、ある意味でそれ以上に大切なこと。お客さまに「こいつから買いたいな」と思ってもらうためには、論理も大事ですが、感情も左右します。そのために、話をする際は自分が3で相手が7、最低でも五分五分になるよう、心がけましょう。

相手別「OKワード、NGワード」

※渡辺氏の話などをもとに編集部作成

▼役所
【OK】これまでに数々の実績があります!
【NG】業務の効率化で人件費を削減できます

▼ベンチャー
【OK】製品の導入で○○円の効果があります
【NG】うちに任せてください!

▼オーナー系
【OK】私に御社のお手伝いをさせてください!
【NG】競合他社と比べて当社は……

AMマイスター代表 渡辺茂一郎
1955年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、富士ゼロックス入社。コピー機販売の営業マンとして全国トップに。2009年に退社し、11年に同社設立。そのほかNPOワクワク営業応援団理事長を務める。著書に『落ちこぼれ営業マンが見つけた「勝利の法則」』など。
(構成=衣谷 康 写真=PIXTA)
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