ゼネコン各社の2016年3月期は、軒並み好業績に沸いた。大成建設は営業利益で前期比7割増の1174億円、鹿島建設も従来予想の2倍近い1110億円にまで伸ばした。通常では考えられない上方修正だ。
要因は、端的にいえばコスト低下と工事単価上昇ということに尽きる。ここ数年、建設業界は人手不足といわれてきたが、実は15年は人余りの状況だった。現在、東京五輪に向けて大型案件が多く動いているが、15年はその設計や準備に時間が割かれ、実際の工事まで進まなかったからだ。さらに、資源価格も世界的に値下がりし、資材費が高騰することはなかった。
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(構成=衣谷 康)

