ビールがうまい! そう若者に感じてもらいたい。年々ジリ貧になっているビール市場を「どげんかせんといかん!」とばかりに各社が動きを本格化。営業現場を追った。
プレモルは、何と一緒に売れるか?
牛肉売り場の横にズラリと並ぶ「ザ・プレミアム・モルツ」の缶。異色のコーナーの出現に、一体、何ごとかと買い物客が足を止める。
ゴールデンウイークに近畿と北陸のイオンで開催されたこのフェア、企画したのはサントリー酒類近畿圏支社広域営業一部の高原清だ。
「牛肉とプレモルに共通するのは、ハレの日のイメージ。近畿は牛肉の消費量が全国でもトップクラスなので、一緒に売ったらどうかと考えたんです」
プレモル6缶と牛肉を買うと割り引き券がもらえる特典もヒットして、フェア中のプレモルの販売数は1週目で11%増、2週目には19%増(ともに前年比)と軒並みアップに成功した。
若い人たちに人気のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)と、サントリー京都ビール工場見学を組み合わせた招待ツアーも、高原が提案した企画だ。近畿・北陸のイオン、ダイエーでサントリーのビール類を買うと応募できるエリア限定のキャンペーンにして、イオンとサントリーに共通する地域密着の営業姿勢を反映させた。
「工場見学はお客様にファンになっていただく一番のきっかけ。一過性でなく、長期的なブランドの成長につなげられるいい企画だと思います。高原さんは営業熱心で、こちらの話もちゃんと聞く。ビールの営業は『頑張りますわ!』と吠えるだけの人が多いけれど、彼は知恵を使える。景気が悪いときは、汗を流すばかりやなく、頭も使えないと物を売ることはできません」と、イオンリテール近畿・北陸エリアグループのマネージャー、峯聡は言う。
(上)ドドンッとサントリー製品で埋め尽くされた、イオン大日店の特設売り場。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)「サントリープレミアム貸切ナイト」の近畿地方限定キャンペーンとともに、イオンモールの若いファミリー層を虜にする。
(左下)サントリー酒類近畿圏支社 広域営業一部の高原清さん(右)と、店頭販売促進活動を行う関連会社・サンリーブの中道智紀さん(左)。
(右下)「店頭で行うプレモルミニセミナーはお客さまから評判がいい」と、イオンリテール近畿・北陸エリアグループマネージャの峯聡さん。