人事畑以外の人間に部門横断で議論させる
――今年は新日鉱との経営統合を控えていますが、人材開発・配置の方針は。
過去にも合併は経験しており、それなりに成功したと自負しています。最も重要なのは2つの異なる企業文化をいかに融合させていくかですが、そのために99年の三菱石油との合併では、私は次の2つのことに注力しました。一つが「3つのWILL」の提唱です。WILLに込めたのは「意思」であり、「意見交換」「意思疎通」「意思決定」の3つをお互いしっかりやっていこうというものです。
もう一つは、重要なプロジェクトについて社内の各部署から横断的にチームを編成し、議論させたことです。例えば新しい人事制度も横断プロジェクトの中で時間をかけてつくり上げました。人事部だけでは過去の延長上の改善にとどまり、「改革」は期待できないと考えたためです。今度の経営統合でも、人事と配置は大変重要なテーマで、「公平・公正」を旨とし、両社に納得がいくよう結論を出す必要があると考えています。それが融和の原点だと思います。
(石田純子=構成 澁谷高晴=撮影)