父親世代の年収が高いほど大学進学率は高い

今、コストの話が出ましたが、日本の大学は大都市偏在と同時に「私学依存」という特性も持っています。大学のおよそ8割は私立です。当然、学費はべらぼうに高く、大学に行けるかどうかは家庭の経済力に左右されます。

そうである以上、大学進学率の地域格差は、所得水準のそれとリンクしていることでしょう。この点は、統計で鮮やかに可視化することができます。先ほど計算した県別の大学進学率を、18歳生徒の父親世代の平均年収と関連付けてみると、図1のようになります。

父親世代の年収が高いほど大学進学率は高い傾向にあり、相関係数は+0.8を超えます。スゴイですねえ。想像はしていましたが、各県の住民の経済力と大学進学率が、ここまで強く相関していることに驚かされます。

大学に入るには学力試験が課されるのですから、常識的に考えれば、各県の大学進学率は生徒の学力水準と相関するように思えます。しかし、子どもの学力トップとして名高い秋田の大学進学率は37.6%で、下から6番目です。