“爆買い”にさらに期待
では、今から投資するなら、どんな銘柄がいいのか。「当社では、『ダイワの月間参考銘柄』として、毎月、その時々の投資テーマに即した好業績の銘柄を有望銘柄として紹介している」(高橋氏)。なかでも注目したい投資テーマとして「個人消費回復・インバウンド消費」「ROE向上及び株主還元への期待」「円安・外需関連」を挙げる。
「15年、日本企業の好業績が予想される背景には、個人消費の回復期待がある。14年は消費増税の影響で実質賃金がマイナスになったが、その影響も一巡した。また、大手企業を中心に賃金が上昇したことに加え、ガソリン価格の下落で自動車が生活の足になっている人たちにも余裕が生まれている」(同)
どうやら、個人消費に関連する銘柄は、業績拡大が期待できそうだ。中国人観光客の“爆買い”に代表されるインバウンド消費も、まだまだ期待できるという。関連銘柄としては、カルビーやドンキホーテホールディングス、東日本旅客鉄道、エイチ・アイ・エス、スクウェア・エニックス・ホールディングス、リゾートトラストなどがある。爆買いの舞台として有名な三越伊勢丹ホールディングスや外国人観光客に人気の商品を製造、販売する資生堂やセイコーホールディングス、カシオ計算機、TOTOなどもインバウンド消費の恩恵を受ける銘柄だ。
長く注目できる投資テーマとは
ROEの向上や株主還元の強化など、アベノミクスにおける成長戦略の柱のひとつでもあるコーポレートガバナンス改革も注目のテーマだという。
「外国人投資家が日本株を買った背景には、日本企業が変わることへの期待感がある。その意味では、今回の決算だけでなく、長く注目できる投資テーマといえるだろう」
高橋氏は、有望銘柄としてROEと株主還元の強化策を発表している富士フイルムホールディングスや三菱重工業を挙げる。また、持ち合い株の解消でM&Aによる成長戦略や株主還元の強化が期待される三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループも注目の銘柄だ。
円安が進むスピードは落ちているとはいえ、円安の恩恵を受ける外需関連も引き続き注目したいテーマ。「円安」と聞くと自動車を思い浮かべる人も多いだろう。その自動車マーケットは、北米市場の一人勝ち状態だ。
「そのため米国依存度が高い会社は業績が好調だ。その代表格が、北米で人気の車種、スバルを製造する富士重工業。同社は輸出比率も為替感応度の高さでも自動車業界トップ」