日本人のメンバーが十分に話し合い、納得し、共通の理解を得たうえで決定に到る……それを辛抱強く待ちます。トップとして勝手に仮定を立てて決定を急ぐのではなく、スタッフに合わせて時間をかけることも必要だと考えています。もちろん、許される残り時間がどれだけあるかにもよりますが。

辛抱強く待つことによって、様々な意見が聴けるというメリットもあります。会議中、最後に一番静かな人から出た意見が、実は非常に重要だったというケースもよくあります。

ミーティングでは、私は場を支配するより人の話を聞くことと、質問されたことに対して曖昧な返事はせず、明確に、正直に答えるよう心がけています。それが結果的に時間の無駄を省き、信頼関係を築くことにもなるからです。

もっとも、ディスカッションにかける時間とアクションにかける時間とでは、後者により多くの時間をかけるべきだという考えは変わりませんが。

チームメンバーは皆、経験豊かなプロフェッショナル集団であり、自分たちで判断し問題を解決できます。ですから、私が夜中に呼び出されるような事態は過去1年間に1回だけ。私の役割は彼らに指示を与えるというよりサポートすること。皆が同じ方向を向いて働くための環境づくりであり、私のスケジュールもそのために組み立てているのです。

▼ウィリアムソン総支配人のある1日

06:00 起床
06:30 愛犬と散歩
08:00 出社
08:10 館内の見回り&ゲストへの挨拶
09:30 オペレーションミーティング
10:30 顧客対応
11:30 事務処理
12:30 館内見回り&ゲストへの挨拶
13:30 昼食
14:00 営業&マーケティングとの打ち合わせ
15:00 副総支配人との1on1
17:30 館内見回り&ゲストへの挨拶
19:00 退社
23:00 就寝

ヒルトン東京総支配人 マイケル・ウィリアムソン
1961年、英国ニューカッスル州生まれ。ダラム&ニューカッスル大学卒業。ヒルトンホテルズ&リゾーツ主要ホテルで総支配人を歴任。ヒルトン上海虹橋の総支配人を経て2014年より現職。13年にヒルトングループのアジア太平洋地区の「最優秀総支配人賞」を受賞。
(構成=小山唯史 撮影=的野路弘)
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