「自分が会社の経営のことを考えるなんて先のこと」と、たかをくくっていると出世や抜擢のチャンスを逃すかもしれない。すでに大企業では、密かに若い幹部候補を選抜し始めている――。

海外で活躍できるリーダーが不足

「本当にこれをやりたいと思っているの?」「いまの話では全然伝わらない!」「論理矛盾がひどすぎる!」――企業研修の会場に響き渡る講師の言葉。それは、叱責ともとれるような厳しく、激しい口調だ。

講師は外資系コンサルティングファームとグローバル企業のトップ経験者。参加しているメンバーは、課長以下の比較的若い社員たち。ダメ社員の集まりか、といえばそうではない。大企業で働く、選りすぐりの有望株たちだ。