Windows 10は「最後のメジャーバージョンアップ」

そもそも、マイクロソフトはなぜここまで強硬な姿勢で、Windows 10へのアップグレードを勧めるのか。それには、「外向き」と「内向き」の2つの理由があるといってよさそうだ。

「数年に1度メジャーバージョンアップしたOSを販売する」というビジネスモデルから、「Windows 10をベースに、常に最新機能のOSを提供する」という形へ、マイクロソフトは大きく方向転換しようとしている。

外向きの理由としては、「ユーザーの利益」が考えられる。マイクロソフトは“Windows as a Service”という考え方を打ち出し、これまでのように3年に1回のメジャーアップグレードで機能を進化させるという手法から、最新機能を随時提供する仕組みへと転換する姿勢を見せている。そして、Windows 10は最後のメジャーバージョンアップと言われており、今後の機能強化はこれをベースに行われることになる。つまり「無償でWindows 10に上げておけば、今後、常に最新の機能の提供が行われる環境へと移行できますよ」という提案である。

また強固なセキュリティ機能によって、最も安心な環境を提供できること、Windows 10にアップグレードするだけで、起動時間やWebブラウジングの高速化などができること、さらにスタートボタンの復活など、Windows 7とWindows 8.1のいいところどりをしたユーザーインターフェースによって、Windows 10は使い勝手が向上している、と訴求している。

そして、互換性の問題についても、アメリカ本社の開発部門と連携して解決している。とくに日本固有の周辺機器については、「米本社の開発部門が、1カ月間にわたり、日本に常駐して対応を行った」という。

こうした数々の利便性を得られるWindows 10に、いまならば無償でアップグレードできる、という“お得感”を強く打ち出し、「アップグレードしない手はない」という提案につなげているわけだ。

日本マイクロソフトでは、「2016年7月29日に Windows 10無償アップグレードの提供期間を終えるにあたり、より多くのユーザーが、その期限前にさらに簡単にアップグレードしていただけるようサポートしたい」と語る。