インド、中国、韓国より明らかに劣る日本人
今年3月、米ハーバード大学のドルー・ファウスト学長が来日して、ハーバード大への日本人留学生の減少に懸念を表明した。今年の1年生のうち韓国人は200人、中国人は300人いるのに、日本人はわずか一人だという。かつてアジア代表のように留学生を送り込んできた日本は一体どうしてしまったのか、と学長自ら奮起を促したわけだが、今時、ハーバードに受かる日本の高校生は皆無に等しいのが現実だ。
私が1960年代後半、MIT(マサチューセッツ工科大学)に通っていた頃、日本人留学生は70人いた。韓国人は一人。中国人に至ってはゼロである(中国系アメリカ人はかなりの数いた)。それが今や完全に逆転してしまった。同じアメリカでも三流大学に行けば、日本人はゴロゴロしている。
マッキンゼーにいた頃、私はハーバードやMITによくリクルーティングに行っていたし、スタンフォードやUCLAでも教えていたから、アメリカの一流大学やビジネススクールにどういう人材が来るかよく知っている。ラテンアメリカからやってくるエリートは皆優秀だし、ヨーロッパなら北欧、イギリス、ドイツ、最近は東欧からも凄まじい秀才がやってくる。アジアではまずインド。それから中国、韓国。そういう人材を国際的な鍋釜に入れてごった煮したら、日本人など微塵も残らない。
グローバル企業のアジア太平洋地区における課長、部長、本部長クラスの経営人材を見ると、日本はアジアでも最弱だ。アジアで順位を付ければインドがダントツ。欧米人と対等に渡り合える人材が大勢いる。次がオーストラリア、台湾と韓国。台湾や香港は自国がどうなってもしたたかに生き残る国際人が昔から多い。また国を挙げて人材育成に力を注ぐ韓国では、TOEICのスコアが800点以上でなければ一流大学に入れないし、サムスンに至っては920点以上でなければ課長にすらなれない。
一方、日本を代表するグローバル企業・ソニーのカットオフ基準が650点なのだから勝負にならない。今やインドネシアあたりのマネジャーのほうが、日本人マネジャーよりはるかに優秀で手強いのだ。