個々の余裕資金の多寡次第で、投資先はどう変わるのだろうか? マネーのプロ2人が詳しく指南する。
500万円はシンプルに運用
500万円のポートフォリオはどうでしょう。
金額も大きいので、債券やREIT(不動産投資信託)といった値動きの異なる資産を組み合わせる分散投資で、全体の値動きを抑える効果を期待する、という考え方もあるでしょう。が、私はシンプルな運用でいいと思います。
過去30年程度のデータでは、確かに分散効果が認められますが、この先の30年も期待できるかは疑問です。20年くらい前、主要先進国が好景気のときの金利はどの国も5%以上が当たり前でしたから、株が値下がりしたとき、債券の値上がり益による分散効果がありました。
しかし、先進国の経済は成熟期入りしているため、いずれも低金利の状況。株の値下がりをカバーできるほどの債券価格の上昇は期待しにくいのではないでしょうか。それなら、「株のリスクは、下がらない資産でヘッジする」という考え方のほうがいいように思います。
そのような理由から考えたのが、図のポートフォリオです。「結い2101」とは、「これからの社会に本当に必要とされる会社」に投資する日本株ファンドです。
運用会社である鎌倉投信が、私では発見することのできない、いい会社を探してくれるので、投資信託として積み立て購入しています。
eMAXIS日経225インデックスと合わせて、500万円中200万円を日本株に投資し、あとの300万円はMRF。前述のとおり、MRFは安全性が高いので(http://president.jp/articles/-/17992)、株式のリスクヘッジにもなりますし、好機と見たら、インデックスファンドにシフトしていくといいでしょう。
生活設計塾クルー取締役 深田晶恵
ファイナンシャルプランナー。1967年生まれ。外資系電機メーカーを経て96年FP。個人向けコンサルティングなど。著書に『「投資で失敗したくない」と思ったら、まず読む本』ほか。
ファイナンシャルプランナー。1967年生まれ。外資系電機メーカーを経て96年FP。個人向けコンサルティングなど。著書に『「投資で失敗したくない」と思ったら、まず読む本』ほか。
ZUU社長兼CEO 冨田和成
1982年、神奈川県生まれ。一橋大学卒業。野村証券でプライベートバンク部門、金融資産10億円以上の顧客のコンサルティング担当等を経て退社。金融ポータルメディア“ZUU Online”運営。
1982年、神奈川県生まれ。一橋大学卒業。野村証券でプライベートバンク部門、金融資産10億円以上の顧客のコンサルティング担当等を経て退社。金融ポータルメディア“ZUU Online”運営。
(高橋晴美=構成 永井 浩(冨田氏)=撮影)