個々の余裕資金の多寡次第で、投資先はどう変わるのだろうか? マネーのプロ2人が詳しく指南する。

投資していいお金、不向きなお金

マネーの運用におけるポートフォリオとは、何に、どんな割合で投資するかを表すものです。

ポートフォリオは年齢や投資経験、リスク許容度などに応じて考えますが、その前にまずしておきたいのが、手持ちの資金を「投資していいお金」と「投資に不向きなお金」に分けることです。

元本が保証された預金とは異なり、投資には元本割れの可能性があります。そのため、絶対に減っては困るお金、使う時期が決まっているお金は投資には向きません。お金が必要な時期が決まっていると、下がっているタイミングで解約しなければならない危険性があるからです。

図は、その考え方を具体的に示したものです。結婚資金は新居を借りたり、家具・家電を揃えたりといった新生活の準備に50万~100万円程度かかり、結婚式などのセレモニーの費用は別途、内容に応じてかかります。

男性は、結婚するにはお金がかかるということに意外と気付いていませんが、それでは女性から敬遠されかねません。ちなみに、普通預金があっても、女性からは貯金とは認めてもらいにくい傾向がありますが、定期預金は、貯蓄しているというアピールになります。

住宅購入費用は頭金や購入時の諸経費として、物件価格の2~3割程度を用意しておきたいところです。教育費として貯蓄しているお金も投資はNGで、安全確実な定期預金などで運用していく必要があります。ほかにも、資格取得のためのお金、独立資金なども投資NGのお金です。

また冠婚葬祭や病気やケガなど、万が一に備えるお金も“根雪”としてキープしておきましょう。

そうなると、投資できるお金は案外少ない……と思うかもしれませんが、投資は余裕資金で行うのが鉄則。そこを徹底すれば、万が一のときに生活に支障をきたすようなダメージを避けられます。