現状では地震予知情報は出されない

色々な場所で様々な規模の連動地震が発生していますが、活断層型では、現在最も注目されている場所の一つが、トルコの北アナトリア断層に沿った地震活動です。この断層では、東西800kmにおよぶ断層に沿って、次々と地震が発生しているのです。20世紀だけで、8個のM7クラスの地震が発生しています。

トルコの北アナトリア断層における20世紀の連動地震活動

ここで問題となるのが、地震の連動の間隔です。たとえば南海トラフ沿いの巨大地震では100~200年に一度、M8クラスの巨大地震が発生してきた事が古文書等の記録からも明らかとなっています。たとえば1707年の宝永地震では東海・東南海・南海の3つの領域が同時に破壊したと考えられています。また1854年の安政の地震では、まず東海・東南海の地震が発生し、その約32時間後に南海地震が発生しています。

また昭和の東南海地震(1944年)の場合は2年後に南海地震(1946年)の発生となりました。問題は地震という地球の営みは、人間の営みよりはるかに長い時間スケールを持っていることで、地震にとっては32時間も2年もほんの一瞬であるという事なのです。これがいわゆる地震予知が難しい大きな理由となっています。たとえば発生時期を1%の精度で予測できたとしても、地震が1000年に1回であれば、その1%は10年となってしまいます。

では、地震予知は不可能なのでしょうか。この問いに答えるには、「あなたの考える地震予知とはどのようなものですか?」との問いに答えて頂かないと本当は答えられないのです。たとえば想定東海地震は発生する前に“名前のついている”世界で唯一の地震です。「どこで」=「駿河湾を震源域として」、「どれくらいの」=「マグニチュード8クラス」、という事はすでに予測されています。問題は「いつ」という事になります。政府の長期予測では今後30年以内に何パーセントという確率表現で数字が公表されていますが、政府(=地震学会)は現状ではこの程度の予測が限界です。これは古典的な弾性論だけを元にしているためです。