ところが、塾の講義と実践を重ねて格段ににぎやかになったチームが。
「仕事の平準化がかなり進みました」
と成果を語るのは当のチームのリーダー、宗像直樹氏(30歳)だ。
「今はその成果を、生産性向上と帰宅時間を早めることに結びつけるという課題を共有しています」
オフィスの一角にある宗像チームのボードには“To do(予定)”“Doing(実行中)”“Done(終了)” の3段階で付箋紙がびっしり(写真を参照)。
<クロス社> 宗像チーム(左上)とタスクボード(右)。宗像氏は塾生で唯一マネジャーの肩書がない。「命令する権限がないからかえって自分の人間力の問題点に気づける」(高木氏)。KPTボードには取り組み中の問題を貼りつける(左下)。
「当初は大きな付箋紙を使っていましたが、タスクが細かくなって枚数が増えたので、より小さいのに替えました」(メンバーの一人)
朝と夕方、このボードの前に皆が集まる。タスクカードは始業前に各人が貼っておく。その分布で、誰がどれだけ仕事を抱えているかがひと目でわかる。そこでモノをいうのが、チーム内のコミュニケーションだ。
「そもそもメンバー10人がお互いのことを何も知らないと気づいたことが、すごく大きかった」(宗像氏)
ランチ会や飲み会開催を促し、チーム内のコミュニケーションの土壌を育んだ。おかげで「朝の挨拶もできてなかった」(別のメンバー)チーム内で、タスクのシェアがスムーズに進むようになった。社内の最小ユニットに“横糸”が通されたのだ。
(石橋素幸=撮影)