コーヒーブレイクは「休み時間」ではない
グローバル会議でいまだに苦労するのが、全体の話の流れに乗りながら、意見を言って議論に貢献することです。
当然ながら会議の発言はすべて英語となります。いくら英語が堪能な日本人でも、ネイティブやネイティブに近い人同士のやりとりを完璧に聞き取るには大変な労力が要ります。「聴くぞ」と気合いを入れて意識をずっと集中させていなければなりません。
もちろん聴いているだけでは発言もできませんし、そもそもその会議に参加する意味もなくなってしまいます。リスニングに集中しつつ、発言のチャンスを常に窺うようにしています。
自分が何を発言するかにばかり気をとられてしまうと、会議の流れに遅れてしまい話題が次に移ってしまいます。その一方で、タイミングを見計らって一度発言すると「まずは発言すること」という自分自身に課した最低限の“目標”をクリアした安堵感から、集中が一瞬途切れることもあります。これの繰り返しになりがちです。
気を張り詰めていなければいけないのは、会議中だけではありません。
コーヒーブレイクやランチタイムは、本社の幹部や各国のトップとざっくばらんにコミュニケーションが取れる貴重なチャンスです。一息ついているヒマはありません。立食形式のランチなら、話したいことがある人をさがして積極的に話しかけ、その会にはじめて参加した出席者がいれば挨拶に出向きます。これからいつどこでどんな役割を担う人物になるかわかりませんので。あちこちに人の輪ができますから、そのなかに自分から入っていって情報交換をするように努めます。常に存在感を見せるべく振る舞うようにしています。すべてエネルギーが必要なことです。