府知事就任! 既得権と戦うには、議会に仲間が必要だった

目標は大阪の未来のために、まずは一番大事な教育分野へ公的資源を投下すること。そのためには怪しい既得権益者から補助金を取り上げなくてはなりません。つまり大胆な改革が必要です。

何かを変えるには既存政党の抵抗を受けるのは明らかですし、それが大胆な改革であればあるほど水面下の調整で済ませるなど絶対に無理。

ただ、理は僕たちの方にあるはずです。水面下の調整はできなくても、正面切って論争を挑んだら勝てるだろう。そしてその論争の過程を有権者に見てもらえれば、多くの有権者は必ずこちらに賛同してくれるだろう。そういう判断から、僕はあえて調整や政治闘争のプロセスをすべてオープンな議会の場で行うことにしたんです。

となると、既存政党には頼れません。それで彼らの支援を受けなくても当選できる力、議会でも多数を握れる力を持とうと決めました。これが府知事時代に「大阪維新の会」を設立した背景です。大阪の改革を進めるという大きな目標のために、政党という手段を使ったわけです。首長が政党を作るなんて、これまで誰も考えたことがなかったし、やったことがない。それどころか、それは首長と議会の関係をおかしくすると散々批判も受けました。しかし民主主義のルールの範囲内ですから、大胆な改革を進めるという目標を達成するために僕はこの方法を採ったんです。