人材として必要な“結論延期能力”

このように、4つのタイプそれぞれに一長一短があります。例えば、一般に、「物事に対して受け身」というと悪いイメージがありますが、私の経験則から言えば、謙虚な性格で育ちのいい人が多いのが特徴です。

心理学には“学習性無力感”という言葉があります。実は、無力感というのを人間は学習するのです。世界情勢や景気、政治など、自分の力ではどうしようもないものと常に対峙してきた経営者はこの傾向が強まります。言い換えれば、ある種の達観とも成熟ともいえる視座だと思います。問題解決が得意で、目の前で人が困っているのを助けたいという思いを強く持ちます。

逆に、スーパーでてきぱきと働くおばちゃんなどは主体的に動くタイプが多いんですね。この売り場のレジの列を長くするも短くするも自分の手腕にかかっていると思うのは、きわめてチェスの指し手的な感覚なんです。

冒頭でお話しした即決型か、優柔不断型かという話に戻れば、冷静なタイプが優柔不断の気質が強いといえます。

最近のアメリカの論文では“結論延期能力”というものが提唱されています。つまり、拙速な結論を出すよりも、先に延ばす能力は人材としても必要だし、メンタルヘルス的には生きる力になります。成果ももちろん上がります。これまでの常識では、決断できる人のほうが優れていると思われがちですが、心理学の最前線では優柔不断型が評価を得つつあります。

それでは、自分の性格や資質について悩みを持っている人はどうすればよいのでしょうか。

その対処法は、開き直ることにあります。「自分は物事の悪い面ばかりを見てしまう」「受け身である自分を直したい」……。そんなときは、物事の悪い面ばかり見えてしまうことや、受け身であることが悪いことなのかを考えてみましょう。これまで述べてきたように、それぞれのタイプ、性格であっても、その特性を伸ばすことで人生を成功に導くことができます。