【弘兼】これからの農協の役割はどのようなものになりますか。私が見るところ、地域の農業の活性化に役立っている農協もあるようです。

図を拡大
「農協」の数は大幅に減少している

【金丸】そうですね。全国に約700ある地域農協には、営業やマーケティングに優れた組織もあります。規制改革会議にも先進的な農協をいくつかお招きしました。

【弘兼】JA全中のような全国組織と地域農協は分けて考えなければいけませんね。

【金丸】地域農協に頼らないで、販路を独自に開拓するという農家も出てきています。商品に競争力があれば、インターネットを使って全国に販売することもできますから。

【弘兼】株式会社の農業参入も少しずつですが増えつつあります。今後はリスクを取って攻めを担う大規模法人と、独自の魅力を高めていく個人農家が、未来の農業を牽引していきそうですね。

【金丸】農業に限らず、個人でビジネスをするというのは、限られた匠だけができる贅沢なビジネスモデルです。弘兼先生が漫画家として大活躍されているように、卓越したブランドや特別なスキルを磨く必要があるでしょうね。

【弘兼】かつて日本の製造業は徹底した品質管理で国際競争力を得ました。農業でもIT技術を使えば、生産性や品質を高めることができます。農業とITの組み合わせには、近年、注目が集まっていますね。

【金丸】そうですね。私のような理系の人間にとっては、農業は興味深い分野です。企業経営は四則演算ですから、数学的にはそれほど魅力的ではありません。一方、農業で必要になるのは高等数学です。温度、湿度、風速、日照時間などを組み合わせながら、日々の変化に対応する。非線形の分析になりますから、ハイテク屋としては非常に面白い対象です。