【為末】フクロウのブローチ、ちょっと考えてみます(笑)みうらさんのそういうのって、いつ思いつくんですか?

【みうら】やっぱり、「したくないこと」に気づいたときですね。自分が「なんでこんなことをしているんだろう」と思うようなことを自分がしたときに、他の人がどう思うかがやたら気になるんですよ。それも、誰から見てもあきらかにおかしなことではなくて、何となく変だけどあえて聞くまでもないというか、あえて聞くとおかしな空気になってしまうくらいの加減がいいですね。

みうらじゅんさん

【為末】あとからじわじわくるようなおかしさですね。

【みうら】「ゆるキャラ」がそうだったんですよ。ああいうかぶりものがあるいることはみんな知っていた。でも、あんなサムいキャラとも呼べないようなどっちつかずのものが物産展の横で所在なさげに立ってたのを見てグッときたんです。キャラが立ってないキャラはキャラじゃない。でも「ゆるキャラ」という名前を与えることで、堂々と立っていられるんじゃないかって思ったんですよ。それがそもそもの発想でした。フクロウのブローチもそれに近いですね。

【為末】僕のを見て、だんだんとそのフクロウのブローチを着けているアスリートが増えていったら……。

【みうら】面白いですよね。誰も言わないのにね。それでいつか我慢できなくなって「あの、前から気になってたんですけど……」って聞いちゃうやつがでてくる。そこで「ああこれ? なんとなくつけてるだけだから」って「理由がない」というところにドタンと落とす。

【為末】そこに理由があってはいけないんですね。「ああ、なるほど。そういうことか」って思わせちゃいけない。

【みうら】理由がないぶん長続きするんじゃないですかねえ。やってること自体が目的なので。