確定拠出年金の受け取りは選択できるが、うれしいことに、将来、年金を受け取るときにも税制上のメリットがある。60~70歳の間に受け取りを開始する必要があり、年金形式で受け取る、退職金のように一括で受け取る、両方を併用する、という選択肢がある。

一括で受け取れば「退職所得控除」が使えて税金が軽減される。また年金として受け取れば「公的年金等控除」の対象になり、ここでも税が軽減される。確定拠出年金は公的な制度であり、個人年金保険といった民間の金融商品にはない、公的制度ならではのメリットがあるのだ。

これらを考えると、勤務先に確定拠出年金、ならびにマッチング拠出の制度があるなら、利用しないと損、といえる。

ちなみに、企業によっては確定拠出年金の制度があるものの、利用するか否かを従業員が個々に選択できるケースもある。利用しない場合は資金が給料に上乗せされる。しかし、税金などのメリットも受けられないうえ、それを自身で老後のために運用しなければ「貧乏老後」になってしまう。

国内外の株式に投資する投資信託で積極運用

確定拠出年金では、預金商品、貯蓄型の保険商品、投資商品が用意されているが、40代以下なら投資信託をお勧めしたい。運用期間が長いこと、また毎月一定額で継続的に購入するため、購入時期が分散され、平均買付単価が抑えられるなど、収益を確保できる可能性が高くなる効果が期待できるからだ。

日本株に投資する投資信託、新興国を含む外国株に投資する投資信託に分散投資するのが望ましいだろう。

だが、老後資金準備に資金を投下しすぎて、子供の教育費が足りない、といった事態を避けるため、マッチング拠出の額は慎重に検討したい。