社長は派閥の「根回し」に左右される

春と秋は人事異動の季節です。人事部がこの時期に最も警戒するのは社内派閥の横やりです。大手建材メーカーでは部長以上の人事は役員会の決裁事項ですが、その前に副社長派と専務派の"根回し"が横行するそうです。人事部長はこう言います。

「人事案は最終的に私と人事担当常務と社長の3人で決めています。候補に挙がっている次長職のボスの役員から盛んに『彼をよろしく』と言ってきたり、宴席に誘われることがありますが、この時期は誰とも一切会わないようにしています。常務や私が取り合わなければ、それぞれの派閥トップの専務や副社長が社長や会長を口説きにかかります。一番困るのはそれに社長が左右されることです」

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