学習法全体についても聞いた。効果のあった学習法は伸びた人も進歩がない人も、1位は「書籍の教材」(伸びた人31.3%、進歩がない人32.5%)で同じ。しかし、伸びた人で2位に入った「英会話レッスン」(18.1%)は、進歩がない人では4位で、8.9%にとどまった。レッスン受講も効果があるようだ。しかし、その時間とお金がない人はどうすればいいのか。
斉藤氏は「スクールに通わなくてもスコアは伸ばせます」と指摘する。
「スクールは授業内容以前に、半強制的に通わなくてはいけないというコミットメントの効果が大きい。自分できちんと勉強時間を管理できる人なら、市販の教材で十分です。教材は、簡単すぎても難しすぎてもダメ。レベルは、自分の現在のスコアから2割上のものが理想です。相性がいいものを1冊選び、骨までしゃぶるように何度も繰り返したほうがいいと思います」
スコアを伸ばした人が実際に使っていた教材や好きな著者を参考にして勉強に励んでほしい。(図・写真参照)
▼進歩がない人の悪いクセ5▼
【1】口⇒音読しない
「TOEICではスピーキングの出題はない。だから不要でしょ」
【2】目⇒まずは英文を見る
「同じ聴くなら、目と耳の両方を使えば効果は2倍期待できそう」
【3】耳⇒同じ英文を何度も聴く
「聞き取れない文も繰り返し聴くことで、聴けるようになるはずだ」
【4】記憶⇒単語帳を使って覚える
「大学受験も単語を丸暗記して乗り切った。まずは単語力だろう」
【5】目的⇒何となく将来のため
「グローバル時代だから、勉強しておいてどこかで役立てばラッキー」
▼伸びた人のよいクセ5▼
【1】口⇒音読している
「正しい発音を真似すれば、リスニングへの反射神経も高まるはず」
【2】目⇒まずは英文を見ない
「試験では英文は見られない。本番と同じ環境で訓練しておこう」
【3】耳⇒いろんな英文を聴く
「耳を英語のリズムに慣れさせよう。初めて聴く英文は貴重だ」
【4】記憶⇒英文を読み、わからない単語を都度覚える
「文脈で覚えておけば、忘れにくいだけでなく活用もしやすい」
【5】目的⇒仕事で必要だから
「海外との商談など切迫した必要性があるので、本気でやっています」
英語塾「JPrep斉藤塾」代表。元イェール大学助教授。著書に『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』がある。