一方、タンパク質はミートソースのひき肉やゆで卵からとることができます。特に卵は低脂質の良質なタンパク源。1人分に卵1個を使ってしっかりとれるようにしました。この一皿で免疫力と基礎体力のアップはバッチリなのですが、さらにもう一点、今回のグラタンには風邪の予防につながる工夫をしています。それはミートソースで煮込んだカボチャ。緑黄色野菜に豊富なβ‐カロテンは体内でビタミンAに変化して、鼻、口、喉などの粘膜を保護してくれます。粘膜はウイルスなどの外敵の侵入を防ぐのが役目。冬は粘膜が乾燥しやすいので、ビタミンAを補うことが肝心です。このグラタンの場合、ブロッコリーもβ‐カロテンが多く、ダブルの効果が期待できます。
ちなみに、ビタミンAはレバーやウナギにも豊富で、吸収率の良さでも優秀です。とはいえ、ウナギは高価ですし、レバーも好き嫌いが分かれます。使いやすさでは緑黄色野菜に軍配があがるでしょう。
これらの栄養素が一度にとれる料理としては、鍋料理もお薦めです。冬が旬の白菜にはビタミンCがたっぷり。肉か魚にほうれん草などを加えたお鍋なら、タンパク質もβ‐カロテンもとれますし体もポカポカ温まって一石二鳥です。
もっとも、どんなに頑張って対策をしても、風邪やインフルエンザにかかってしまうことはあるものです。このとき、早く良くなるようボリュームのある食事を与えるのは厳禁。胃腸が弱っているため、消化不良を起こしてしまいます。体力をつけるには、鶏のささ身や白身魚といった高タンパク低脂質の食材を選ぶこと。発熱していると基礎代謝が増えるので、おかゆなどエネルギー源となる消化のよいものと、果物などで汗で失われたミネラルやビタミンを補ってください。
ここでもやはりビタミンCは必須。ただし、食欲がないからと市販のオレンジジュースを飲ませるのは的外れ。ビタミンCは調理や時間の経過によって失われやすいので、新鮮なものをとることが重要です。ジュースを与えるならしぼりたてを。お母さんのひと手間で、冬を乗り切ってください。