不合格者全員が敗者になるわけではない

どんなにベストを尽くしても、志望校に合格できるか否かはわかりません。たとえば中学受験においては、本当の第一志望に合格できる子は、3割、いや2割程度とも言われます。だからといって残りの7割、8割が全員敗者になるわけではありません。

第一志望以外の学校に進むことになった人たちは、その学校で、そこでしか得られなかったことに必ず出会うはずです。一生の友達かもしれませんし、素晴らしい先生との出会いかもしれません。それが神様からの贈り物です。

でも注意深くしていないと、その贈り物に気付くことができません。縁があった学校での生活を、大切に過ごせばきっと神様からの贈り物に気付けます。

逆に第一志望に進学しても、理想とのギャップを感じることがあるかもしれません。それはきっと神様から与えられた課題です。

その課題をクリアしたときに得たものこそ、神様からの贈り物です。だから、「想像と違った」と思うことがあっても逃げずに乗り越えてほしいと思います。

人生は決断の連続です。与えられた選択肢の中からベターを選ばなければいけません。しかし、人生における選択の善し悪しは、決断したときに持っている情報量やそのときの判断力が決めるのではありません。

選び取った環境をどのように生かすのかが大事です。どんな不利な選択肢を選ぶことになったとしても、そのあとの努力次第で、選択肢を最善のものに変えることができます。それがセンター試験の選択問題とは決定的に違う点です。それが人生です。

入試は合否が発表されておしまいではありません。そのあとに続く、6年間なり、4年間なりの過ごし方が大事なのです。

(教育ジャーナリスト おおたとしまさ=文)