〈ぺらぺら山の頂上から地上を見下ろした景色は、あなたの想像以上に、この上なく美しいものです〉と、複数の外国語をマスターしたロジャー・パルバース氏は、ネーティブレベルに会話できる状態になったときに到達する世界について、著書の中で表現する。多くの人は、ある程度英語が伝わるレベル=(英語をぺらぺら話せるようになるレベルを山頂とする“ぺらぺら山”の)7合目くらいまで登ったところで満足してしまうことへの叱咤激励でもある。

ロジャー・パルバース
作家、劇作家、演出家。米国出身。ハーバード大学大学院ロシア地域研究所にて修士号取得。ワルシャワ大、パリ大に留学し、1967年来日。京都産業大で講師を務めた。2013年まで東京工業大学教授。第19回野間文芸翻訳賞受賞。

氏の母語は英語であるが、ロシア語、ポーランド語、日本語をネーティブレベルでマスターしている。氏がどれだけ日本を愛しているかは半世紀にわたる日本滞在での個人的な体験を綴った『もし、日本という国がなかったら』にもあるが、日本語、日本人を熟知しているからこそ、日本人のための英語学習法を解き明かすことができたのだ。

(的野弘路=撮影)
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