お金と幸せの両得は無理なのか

人並みの幸せを享受しつつ、お金も貯め込むのは、やはり無理なのだろうか。

「人生を楽しみつつお金持ちになることは十分に可能です」

と言うのは、『ユダヤ人大富豪の教え』をはじめ、お金と幸せについての著書が多い、作家の本田健氏だ。

「起業すればいいのです。サラリーマンの年収は、どんなに頑張っても1500万~2000万円。そこからやりくりして1億円を貯めようとすると、何かを犠牲にせざるをえません。しかし、自分の才能を活かして起業すれば、それほど大きな規模でなくても年収3000万円を目指せます。その水準になれば、1億円を数年で貯めることは可能です」

起業家の人生はいばらの道か

しかし、ある程度の収入が保証されているサラリーマン生活と違って、起業家の生き方はいばらの道だ。人生を楽しむことなんてできるのだろうか。

「人生でもっとも面白い時期は25~55歳。なかでも子どもが小学生くらいの5~7年間は、人生におけるプライムタイムといっていいでしょう。プライムタイムに仕事ばかりしていたりお金のことで苦労していると、人生全体がつらいものになります。ただ、起業家はどのタイミングで苦労して、どのタイミングでお金持ちになるのかを自分で計画できます。その点では、むしろ起業家人生のほうが人生を楽しみやすいのではないでしょうか」

一方、前出の藤川氏は、サラリーマンをしたまま投資で1億円を目指す道を提案する。実は先ほどのシミュレーションでは、すべて預貯金(利回り1%を想定)で運用するとしている。このパターンだと資産を大きく増やすのは難しい。

「1億円を目指すなら、レバレッジの利いた金融商品に集中投資する必要があるでしょう。具体的には不動産やFXですが、FXは失敗したときのダメージが大きいので個人的には不動産投資をお勧めします。もちろん不動産投資で成功するのも容易ではなく、サラリーマン大家のうち、おそらく長期的に儲けることができるのは3割程度の人です。ただ、起業して10年後も続いているのは10社に1社です。また、不動産投資ならサラリーマンをしたままできるので、資産形成に失敗しても生活ができなくなるリスクは低い。不動産投資は起業で1億円を目指すより、ずっと現実的です」

2つの道をお金の神様が案内

いずれにしても普通のサラリーマンが普通のやり方で1億円を貯めるのは困難だ。本気で1億円を目指すなら、起業して収入を増やすか、リスクを取って集中投資するしかない。

では、それぞれの道について、いつまでに何をやっておくといいのだろうか。次回から“お金の神様”2人に、引き続き解説してもらう。

本田 健(ほんだ・けん)
経営コンサルティング、会計事務所など複数の会社を経営する「お金の専門家」。主な著書に『ユダヤ人大富豪の教え』『20代にしておきたい17のこと』など。最新刊は、『人生を変えるメンターと出会う法』。
藤川 太(ふじかわ・ふとし)
ファイナンシャルプランナー。「家計の見直し相談センター」の看板相談員。教育費と老後資金の危機を憂える著書『やっぱりサラリーマンは2度破産する』や『1億円貯める人のお金の習慣』が好評。