許してもらえる最強の謝り方
そのため、遅刻した際にするべきことは、深々と頭を下げ「申し訳ありませんでした」と言って、そのあとはうつむき、口を開かないこと。とにかく発話量を少なくして、相手に与える情報量を抑えることです。
「どうして遅れたの?」と相手から聞かれたら、もう一度「すみません」。「黙ってないで何か言え」と怒られても、息も絶え絶えな感じで「すみません」。ただ、相手が「電車のトラブル?」「風邪ひいた?」などと聞いてきたら、バツが悪そうに「はい……」と。考えてくれた遅刻理由をそのまま肯定します。
ひたすら真摯に謝罪していると、人によっては、「そこまで謝るほどのことじゃないよ」と言ってくれることもある。要は、あれこれ話してもダメージが大きくなるだけ。とにかく黙って、相手の推測や赦しを引き出すことでその場をしのぐのです。
ただ、遅刻することがあらかじめわかっている場合は、「あと◯分で到着します」などと事前に連絡を入れるのは効果的です。相手が怒るのは、遅刻そのものに対してではなく、連絡もなく来るのか来ないのかわからない不安な気持ちにさせられたことに対してだからです。
心理学者、臨床心理士 植木理恵
1975年、大分県生まれ。お茶の水女子大学卒、東京大学大学院教育心理学科修了。日本教育心理学会で最難関の「城戸奨励賞」「優秀論文賞」を最年少で連続受賞。『本当にわかる心理学』ほか著書多数。
1975年、大分県生まれ。お茶の水女子大学卒、東京大学大学院教育心理学科修了。日本教育心理学会で最難関の「城戸奨励賞」「優秀論文賞」を最年少で連続受賞。『本当にわかる心理学』ほか著書多数。
(大塚常好=構成 奥谷 仁=撮影)