英語を外国語と呼んではいけない理由

【三宅】東京オリンピック開催のこともありますし、それから企業が英語を公用語にする。あるいは隣の席で仕事をする同僚が外国人だというように、ビジネスの面でも英語が必須になってきています。また、学校の英語教育では小学校3年生から英語が必修化になります。5年生からは教科になる。大学入試も4技能テストになるという中で、英語の重要性は一層増してくることは間違いありません。そこでの英会話スクールの役割について、桜林さんが考えていることを伺いたいと思うのですが。

【桜林】ある先生が言っていましたが「英語を外国語と呼んではいけない」と。つまり、日本人にとって日本語が第一言語で、英語は第二言語だと言うわけです。可能性としては、第三言語が中国語で、第四言語が韓国語になる時代が来ているんだから、外国語という概念を捨てましょうということですね。なるほどと感心しました。確かに、ヨーロッパの子どもたちなんかは、相手によって、3カ国語ぐらいは使い分けている。それは外国語というより、第一、第二、第三の母国語なんですね。

そこで、これから全外協としては、そういう広範囲に間口を広げた活動をしていかなければと考えています。安心・安全に学習するという当初の目的は、ほぼ達成したと思うんですね。では、次のミッションをどうするか探しているところですが、今回の東京都さんとタッグを組んだことも、ひとつの突破口かもしれません。

【三宅】全外協加盟校は英語だけではなくて、多くの外国語学校もありますよね。

【桜林】皆さん、平均して10カ国語ぐらい教えていますからね。スペイン語からフランス語、ドイツ語。加盟校全体で数えると、なんと55カ国語です。これまでは延べ77カ国語でした。それも超一流の教師を揃えているわけです。大学で教鞭を執っているような先生たちです。まさに語学学校にもいろんなタイプがあって、英語に特化しているところもあれば、習いたいという人がいる外国語は生徒さんが1人でも受け入れる学校もあります。

【三宅】いろんな学校、いろんなスタイルがあっていいですよね。これからの日本人が日本人としてのアイデンティティをしっかり保って、日本語も日本の文化も大事にしながら英語を学ぶべきです。

【桜林】日本人としての立場を大切にして、世界共通語となりつつある英語で、いろんな国の人と必要に応じてコミュニケーションが取れる日本人を多く育てていくというのが、私どもの使命だと信じています。さらに言えば、英語だけではなくて、いろんな言語も含めて教えることが役割だと思います。

ですから、加盟校には多彩な学習カリキュラムを用意してもらう。それを全外協として、どうサポートできるかということを模索しています。私どもの加盟校は、全国展開のところもあれば、それぞれの地域で非常に強い学校もたくさんありますから、それぞれの持ち味を生かしてほしいと思っています。

【三宅】本日はありがとうございました。

(構成=岡村繁雄 撮影=澁谷高晴)
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