一方、14年6月現在、1万5000円台まで戻してはいるものの、相場は引き続き下落傾向。海外投資家は日本の成長戦略の実行性への懸念を強めている。そんな状況下、13年からアベノミクス相場に浮足立ち、自分も恩恵に与ろうと株式投資をはじめたものの、すでに含み損を抱えている投資ビギナーがこのような状態であってもおかしくない。

ありがたいことにバフェット氏は、そんな投資ビギナーの対処法も教えてくれている。

「時機を逸することへの対策は、長期にわたって株を持ち続け、景気が悪化して株価が下がっているときには決して売らないことである。このルールに従っていれば、さまざまな分野に手を広げながらもコストを最小限に抑えたい『知識のない』投資家でも満足のいく結果をほぼ確実に出すことができる」

すなわち、バフェット氏お気に入りの「長期投資」だ。

たしかに、個人投資家がプロである機関投資家や外国人投資家よりも有利な点といえば、可能な限り持ち続けていてもいいということだろう。

プロの投資家は、一定期間で利益を出さなければいけないため、自分の好きな株式を保有し続けることはできない。短期間で最大のリターンを出すように努めるのがプロの仕事だからだ。

一方個人投資家は、何年も放置したままでも問題ない。もしそれが3年で2倍になれば、年率24%の資産となる。まさに長期投資は寝ている間に儲かるしくみというわけだ。

同時に長期投資は投資コストを抑えることにもつながる。株式などの売買を繰り返すたびに「膨大な『摩擦コスト』がかかることがあり、投資家全体としてのメリットを欠いていく」。

このように、伝説の投資家バフェット氏が、インデックス投資による低コストの分散投資と長期投資を行えば、十分な運用成果が得られるとアドバイスしていることは、投資をはじめる人たちへの心強い指針といえるだろう。