法則5:朝型がいい

「早起きは三文の徳」――、果たしてこれは、算数の学習においてもあてはまることなのだろうか。つまり、朝に勉強するのがいいのか、夜に勉強するのがいいのか、算数の勉強に効率的な時間帯はあるのかという問題である。

勉強時間の違いによる勉強の進み具合を比較

「リスで学ぶ子供たちを朝型の子供、夜型の子供、朝も夜も勉強する子供の3パターンに分けて成績を比べてみました。すると朝のみ勉強する子供が最も学習の進み具合が速かったのです。朝も夜も勉強する子供は、朝のみ勉強する子供より少しだけ進み具合は遅くなりますが、ほぼ同じくらい。しかし、夜のみ勉強する子供はなんとその半分以下の進み具合でした」(加藤さん)

算数は朝に勉強をしたほうがいいということか。この結果からいえば、朝も夜も勉強する子供には、「朝しっかりと勉強するなら、夜はもう勉強せずにゲームをやっていいよ」と言いたくなるが――。

「夜型の子供が朝型に変えると学力が上がり、学習進度が速くなるかというところまでは検証が進んでいないんです」と加藤さんは付け加える。朝勉強している子が別の要因で、算数の成績がいいのかもしれないというわけである。しかし、朝勉強するだけで算数の勉強が進むとしたらありがたい! 夜勉強しているご家庭は、朝勉強を試してみてはどうだろうか。

→朝に勉強している子のほうが成績がよい
中室牧子(なかむろ・まきこ)
日本銀行や世界銀行での実務経験を経て2013年から慶應義塾大学総合政策学部准教授。現在、凸版印刷と共同してタブレット端末を使った小学生向けの学習支援サービスの実証研究を担当している。
 
加藤エルテス聡志(かとう・えるてす・さとし)
RISU Japan取締役。東京大学文学部を卒業後、P&Gやマッキンゼーの勤務を経て起業。子供向け算数の学習サービス「RISU算数」を2014年に開始。教材作成から運営などを担当。
 
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