法則3:母親以外も褒める
勉強や宿題のことは母親に任せきり、パパは休日にスポーツの習い事に付き合う程度と役割分担をしている家庭は少なくないだろう。だが、「両親とも子供の教育に関心を持ったほうが、子供の成績が上がる」と加藤さんはいう。
「リスでは、保護者に子供の学習進度をメールで連絡しています。このメールを父親のみ、母親のみなど1人で受け取っている場合に比べ、両親など複数で受け取っている家庭の子供は、3カ月で1.7倍も勉強の進み具合が速くなることがわかりました」(加藤さん)
メールは「お子さんは九九が終わり、こんなことができるようになりました。こんな言葉で褒めてください」などと、学習の進み具合、褒めてほしいツボを親に伝えるもの。すると親は、最も効果的なタイミングで子供を褒められるというわけだ。ここから読み取れるのは褒められる人数が多いことで、子供の成績が伸びるということ。
おじいちゃん、おばあちゃんや兄弟などにもメールの内容を伝えるなどして褒めてもらえば、効果はさらに高まるかもしれない。
法則4:結果でなくプロセスにご褒美
「子供の学力を上げるには、言葉だけでなく目に見えるご褒美も有効」と言うのは中室さんだ。ただし「90点をとったから」などと成績を目標にするのではなく、「どれくらい学習したか」でご褒美をやるのがポイントだと付け加える。
「アメリカで3万人の子供が参加した大規模調査では、『成績が上がった』ことなどアウトプットにご褒美を与えたグループよりも『本を読む、宿題を終える』などインプットにご褒美を与えたグループのほうが、学力が上がったのです。子供は90点をとるための“方法”を知りません。だから成績を目標にしても成果は上がりにくいと考えられます。また、テストは問題の難易度など運にも左右されます。だから『宿題をきちんとやる』『塾を休まない』など、自分が努力すれば必ず達成できることにご褒美を結びつけるといいのだと考えられます」(中室さん)
では、ご褒美としては何がいいのかというと、中室さんによれば「小学生ならお金よりトロフィーやメダルのような“名誉”に働きかけるもののほうが、効果が高い」という調査があるとのこと。キラキラしたシールをプレゼントするという方法でもいいのかもしれない。
「中高生になれば、お金をご褒美にするのもいいと思います。貯蓄や家計簿など金融教育とセットにする形です」(中室さん)