です・ます調で書かれた、平易に読める新書である。親しみやすい時事的なトピックも扱われている。なによりも著者の三浦さん自身、ソフトな物腰の若い女性だ。しかし構成や論点は明快で、論調はときに挑発的。

三浦瑠麗(みうら・るり)
国際政治学者。東京大学・日本学術振興会特別研究員。1980年、茅ヶ崎市生まれ。東京大学農学部卒、同法学政治学研究科修了(法学博士)。著書に『シビリアンの戦争』。NHK「ニッポンのジレンマ」など討論番組でも同世代の声を代弁。

冒頭で「この本を貫く考え方」を宣言する。それは「コンパッション」であるという。

「哀れみ、思いやり、同情と訳されたり、共感という使われ方もしたりするようですが、日本語訳するとちょっとニュアンスが違います。(略)寄り添って同情するだけではなく、そのうえで、もう少し大きな全体最適に向けて考えるというか。実践しようとすると、共感というより、もう少し激しくて熱いものです」(「1 不毛な左右対立を超えて」)

(市来朋久=撮影)
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