「日本人よりも関心の強さがはっきりしている印象があります。現状では外国人の来場者は1割程度。語学が堪能な職員も数人いますが、マイクアナウンスや手書きの解説パネルは日本語だけです。中国人ガイドに案内をお願いしているのが現状ですね」
空港の利用客が増えれば、地元にも波及する。出国する空港の近くで土産品を「爆買い」するからだ。旭川市の中心市街地では、今年6月、地元の百貨店・西武旭川店に「免税手続き一括カウンター」を設置。商店街の11店舗では、個々の店での事務手続きが不要になり、カウンターで一括処理できる。今年4月に国が整えた制度で、旭川は岡山に続き全国2例目。取り組みの早さは、期待の高さからだろう。
日本政府観光局の発表によると、14年の訪日外国人旅行者数は1341万人で、前年比で300万人以上増えた。なかでも訪日中国人は131万人から241万人と最も伸び幅が大きかった。去年の段階では国籍別で第3位だが、今年は年間500万人を超え、国籍別で1位になると見込まれる。
彼らの消費行動が「爆買い」と呼ばれるのは、金額の大きさに加えて、その売れ筋が偏っているからでもある。
▼博多港:外国クルーズ船の寄港が日本最多
(1)世界第2位の大型客船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」。巨大なため岸壁の長さもギリギリだという。
(2)船の横には観光バスがずらりと並ぶ。
(3)福岡市港湾局の南里隆幸港湾振興部長。
▼旭川空港:訪日中国人が前年比400倍以上に
(1)国際線出発ロビーの様子。次の出発まで2時間近くあったが混雑気味だった。
(2)搭乗待合室の売店にも10万円以上の炊飯器がある。
(3)垂れ幕も多言語対応。
(4)旭川空港ビルの社長を務める西川将人旭川市長。
▼旭山動物園:外国人率は1割、対応はこれから
(1)ホッキョクグマは目玉のひとつ。建物の出口には「ここは入口ではありません」という日中英の3カ国語で書かれた看板があった。
(2)円柱水槽で泳ぐアザラシ。360度の角度で観察できる。
(3)中田健裕副園長。
1967年生まれ。北京大学、香港中文大学に留学。新聞記者を経て、96年にジャーナリストとして独立。近著に『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか? 「ニッポン大好き」の秘密を解く』(中公新書ラクレ)がある。