郵政上場には「成長シナリオ」が見えない

日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の郵政3社の東証一部上場が間近に迫った。11月4日に3社は同時上場される予定で、小泉純一郎元首相が掲げた「郵政民営化」は10年の歳月を経て、大きな節目を迎えることになる。

証券会社主催の郵政3社上場に関する説明会に参加する個人投資家(名古屋市、9月18日撮影)。(写真=時事通信フォト)

とはいえ上場となれば市場原理に基づいた競争にさらされるわけで、乳母日傘で育った3社にそれにふさわしい実力が備わっているかといえば、答えはNOである。

まず日本郵政。この会社は日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の全株式を保有する持ち株会社であり、株式は政府が100%保有している。一方、ゆうちょ銀行とかんぽ生命は日本郵政の完全子会社で、株式は日本郵政が保有している。つまり今回の3社上場は親子上場であり、利益相反につながる恐れがある。郵便事業が赤字でも郵便会社が黒字なのは郵貯と簡保から窓口使用料を1兆円も取っているからである。郵貯と簡保が上場すれば、コンビニや銀行の窓販などを含めて最適な販売窓口を模索しなくてはならない。その場合、郵便会社への窓口使用料を今のままにしておくことはできないわけで、それが「利益相反」につながる、という理由だ。