大手との違いはネームバリューのみ

東京・江戸川区西小岩。この辺りは下町のため、住宅地の面積はどこも大きくない。いわゆる狭小地が多い地域で、昔から地場の工務店が仕切っていたが、00年代に入り、住宅着工数が激減する中で、大手も参入し競合するようになった。

「今では敷地10坪の物件でも、大手は食いついてきます。しかも価格では勝敗がつきません。例えば、私どもの見積もりが2500万円で、大手は3000万円だとすると、大手は『じゃあ、その2500万円の会社に合わせますよ』と攻勢をかける。これはもう私たちを潰したいということなんです」

そう語るのは、西小岩を拠点とする住宅メーカー、リバティホーム常務の斉藤良子氏である。主婦業を経て41歳のときに経理要員として入社。従業員が少なかったこともあり、営業に駆り出され、ゼロからスタートした。それゆえ、営業のために自動車免許をとり、51歳のときに2級建築士の免許も取得した努力家。今では営業の第一線で大手メーカーを向こうに回し、一歩も引かない敏腕営業レディとなった。だが、昔は、なぜ大手メーカーに勝てないんだろうと悶々とした時期が何年もあったという。

リバティホーム常務 斉藤良子氏

「でも、ジャーブネットで情報の共有化をさせていただいているおかげで、大手に引けをとらなくなりました。私たちも大手と同じ土俵で戦うことができます。もしうちが大手に引けをとるものがあるとしたら、ネームバリューだけです」