自動運転システムを搭載した自動車が2030年に世界で4000万台を超える見込みだ。
自動運転には4段階の基準がある。加速・操舵・制動のうち、1つを自動化するレベル1。2つを自動化するレベル2。人が運転する時間と車に運転を任せる時間がある「半自動運転」がレベル3。レベル4は車に運転を任せる「完全自動運転」だ。30年に4000万台を超えると見られるのは、レベル2、3の合計。レベル2は、高速道路における渋滞時の低速追従走行などの形ですでに広がり始めている。レベル3は、米国市場を中心に18年頃に実用化される見込みだ。
現在、日本ではレベル4を目指す独自の取り組みが進んでいる。ロボット開発会社のZMPは、20年の東京五輪時にレベル4のシステムを搭載したタクシーの実用化を目指している。同社の三原寛司取締役は「あらゆる道路環境に対応した完全自動運転の実現は難しいが、専用道路や優先レーンなどで運転のシナリオを限定すれば実現可能性が高まる。東京五輪ではタクシーなどが走る優先レーンができる。その優先レーンでロボットタクシーの使用が認められれば、空港から競技場、競技場から選手村への移動に使えるだろう」と話す。
(大橋昭一=図版作成)