仕事ができるうちに、全力投球せよ!

新人時代は長野県松本で勤務し、東京に戻ってきて、29歳で一戸建てのミサワホームを建てました。

講演会終了後にはグループ懇談の時間が。仕事一筋で「子供の保護者参観にも行ったことがない」という竹中氏。

26歳で結婚した時は貯金が一銭もなく、結婚式の費用も父親に出してもらいました。それからわずか3年後の29歳でなぜ家が買えたのか? 振り返ってみたら、答えは簡単でした。忙しすぎて、お金を使っている暇がなかったんです。結婚してから松本で営業をしている間、飲み屋でお酒を飲んだことは1回もありません。だって、毎日午前1時まで営業ですから。なぜそこまでやったのかというと、「自分は人様より能力がない」と思っていたから。そういう風に仕事をしていこうと心に決めていたんです。

これまで働いてきて思うのは、「やるべきことは早くやってしまう方がよい」ということ。今までは、20年間親に面倒をみてもらい、40年間働いて、20年間余生を送るという、“2・4・2”だと言われてきました。でも、寿命が延びているので皆さんの場合は100歳まで生きる心づもりが必要。つまり“2・4・4”になります。しかも、年金受給額は減ってくる。ですから、働いている40年の間に起承転結を作っていかないと、あとで後悔することになります。

これから、どんどん日本経済は厳しくなります。ごく普通のご夫婦に、定年退職後の65歳から85歳までの間、お2人が健康で過ごせたとしていくら使いますか? と質問すると、答えの平均は1億円でした。富裕層の方に同じ質問をしたら、平均は1億8000万円。すごい金額ですよね。ですから、そういう将来を念頭において仕事をしていくこと。“2・4・4”となっても充実した老後を過ごせる態勢を目指して、仕事ができる間に全力投球してもらえたらと思います。

(構成=新田理恵 撮影=向井渉)
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