本当はいらないのに、まとめ買いする心理
朝から自宅で仕事という日のことです。その日は朝からとても暑かったのです。
誰も見ていない、1缶くらいでは仕事に影響ない、こんなに暑いと、きっとビールはうまい……と、自分に都合のいい御託を並べ、私の手はすーーっと冷蔵庫の取っ手へ。
シュポッ!
最初の1口目は確かにおいしかったのですが、飲んでいくうちに「このままじゃダメだ」と、自制心の弱さを痛感し、自分が情けなくなってきました。その1缶を飲み終わった後、ようやくある決心をします。
「缶ビールの買い置きは一切やめる!」
効果バツグンでした。
どうしても飲みたい時は、1缶ずつ買います。完全に方針を転換させました。
このとき私の家計に起こったことを、さきほどの式にあてはめて考えてみると、缶ビールを仕入れる「単価」は確実に上がっています。1缶くらいだとスーパーではなく、コンビニに立ち寄って購入することもあったので、その上昇幅はかなりのものです。
ところが、自分でも驚くくらいに「買う総量」が減りました。無ければ無いで、飲まないで平気だったのです。つい、「ある」から飲んでいた自分にも気づくことができました。
家計相談でもこのパターンを見ることは珍しくありません。
「子どもが好きなので、○○は安いときにまとめて買っているんです」とかいうもの。もしかすると、お子さんも目の前に「ある」から食べている可能性もあるかもしれません。
こうした「まとめ買い」の落とし穴は、嗜好品ほど要注意です。
洗剤やシャンプーなどの生活必需品であれば、ストックが「ある」からという理由で多く使いすぎる、というのもあまりないでしょう。しかしながら、好きな食べ物、好きな飲み物となると話は別。ついつい消費量が進んでしまいがちなのは容易に想像がつくでしょう。私がいい例です。いや、悪い例です。
この「ビール事件」から、基本的に飲みたい時に飲みたい量だけ買ってくるというルールはいまも守っています。あの日以来、私のお酒代(自宅用)は格段に下がりました。
ざっくりですがどれだけ浮いたか計算してみたいと思います。
1カ月:6缶パック1210円×5コ(←少なめですが)=6050円
飲みたい時だけ1缶ずつの購入:215円×3~5回=645~1075円
月5000円くらいは浮いたでしょうか。年間6万円も浮く計算。それがみんなシュワーっと泡で消えていたなんて……。その分、外で飲んでいればお酒としての支出は変わらないのでは、というご指摘をいただきそうですが、仮にそうであれば、確かにその通りです。