なぜ、冷やし中華とプリンではダメなのか
私は買い物カゴ・ウオッチャー。カゴの中身を覗けば、その人の食生活や健康状態がおおよそ推測でき、食生活の改善ポイントが見えてきます。でも、はた迷惑なおせっかいオバサンにはなりたくないので、その人に声をかけたりはしません。
先日、OLさんらしき若い女性が、足早にコンビニの作り置きのお弁当売り場に向かい、他には目もくれず、冷やし中華とプリンをササッとカゴに入れてレジに直行する場面を目撃しました。
どうやら「冷やし中華+プリン」はお決まりのパターンのようです。バリッと着こなしたスーツがオシャレな40歳前後の女性ですが、頭皮が心持ち透けて見えるような気がします。もしかしたら栄養不足のサインかもしれません。OLさんの栄養の摂り方が気になってきました。
ヒトの身体は想像以上にめまぐるしい勢いで新陳代謝を繰り返しています。冷やし中華とプリンに関する考察の前に、新陳代謝の基礎知識をごく簡単にご説明しましょう。
たとえば、肝臓、膵臓、腎臓、腸では、組織のたんぱく質の半分が約10日で新しく生まれ変わると言われています。栄養が不足すれば新陳代謝はスムーズに進まず、見た目の薄毛、シミ、シワといった老化現象だけでなく、免疫の低下で風邪などの病気にかかりやすくなったり、さらには動脈硬化、脂質異常症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病になったりということにもなりかねません。
ヒトに必要な栄養素を全て併せ持つ食品はこの世には存在しません。
だから、私たちは毎日いろいろな食品を組み合わせて、必要な栄養素を摂らなければならないのです。以前、「1日30品目の食品を」という言葉が流布し、多くの人が「30」という数字を目指していた時期がありました。確かに30品目くらいの食品を毎日食べていれば、必要な栄養素をバランスよく摂ることができます。
けれども、食べ過ぎによる肥満が懸念されたため、「1日30食品」の言葉は消え、最近では「多様な食品を組み合わせましょう」と言われるようになりました。表現が変わりこそすれ、意図することは全く同じです。色々な種類の食品を組み合わせて栄養を摂ることが、老化の進行や免疫の低下を抑え、ひいては生活習慣病の回避につながるのです。
そこで、冷やし中華+プリンで「30」に達するか検証してみましょう。