一瞬の判断で勝敗が決まる
野球では、一瞬の判断で勝敗が決まることがあります。先日もプロ野球を見ていて、こんなシーンがありました。延長戦11回の裏、ワンアウト1塁3塁。守備チームにとっては、ここで1点でも取られればサヨナラ負けの場面です。打撃はセカンドゴロ。セカンドが何を思ったのか、ファーストに送球。3塁ランナーがホームに戻ってゲームセットです。
プロ野球選手でさえこういう失敗をするくらいですから、野球の試合では一瞬の判断が非常に難しいのです。ワンアウトかツーアウトかでも判断は違ってきますし、球のスピードによってゲッツーを狙うのか、ゲッツーが間に合わなければホームに投げるのか。ここでパニックにならずに冷静に判断できるよう、普段からの練習がモノを言うのだと思います。
一方で、難しい競技だけに面白さもあります。野球にも原理原則があり、その原理原則を理解して実践すれば確実に結果を出すことができます。たとえば投球で言えば、投げる前は力を抜き、ビュッと投げるときに力を入れるのが投球の基本です。しかし、ピッチャーが投げるとき、ブルペンでは調子がよくても、マウンドに出ると全然調子が出ないことがあります。なぜなら、ブルペンでは気負いなく投球できるけれども、マウンドに立つと力が入り、棒球になって打たれてしまうのです。
打つときの基本は、球をしっかりと見て、バットに引きつけて打つことです。ホームランを打ったときのスイングを見ると、ボールに対してスイングが遅れることなく、前のほうでボールを打っているはずです。その基本を理解し、基本どおりに実践すれば必ず打つことができます。ところが、この原理原則を理解していない人は、今日はたまたまホームランが打てたけれども、明日はまた打てなくなる、ということが起きるのです。原理原則を知り、それを忠実に守ることは、野球であれ仕事であれ大切なことだと思います。