「おまけ」だとすれば法的には問題ない
ポイント制度について法律上の決まりはない。このため、利用者を誤解させなければ、有効期限やポイント付与の基準、使用方法などは「規約」といった形で事業者が自由に設定できる。規約に「ポイントサービスの内容は予告なしに変更できる」などと記されている場合、もともと「おまけ」であり、利用者がそれを納得して受け取ったものなら、突然の廃止も可能だ。また個人経営の店が発行するポイントには規約すらないこともあるが、誰もが「おまけ」と思っているものなら、法的には問題ない。
同じポイント制度といっても、個人商店のスタンプカードと航空会社のマイル、さらには有料で販売されるポイントとの間には相当の幅がある。法的な保護が明確でないからといって、何でも事業者の思いのまま廃止や変更ができるわけではない。
たとえば10万円の商品に対して、「3万円の値引き」または「4万円分のポイント」をその場で選べるという実態がある場合、これは3万円で4万円分のポイントを売っていることに似ている。それを突然一方的に反故にされたら、損害賠償を勝ち取ることも不可能ではない。この場合、ポイントカードが「前払式証票の規制等に関する法律(通称プリカ法)」の規制対象となる可能性もある。プリカ法の規制対象になるのであれば、一定の限度で資産の保全が求められる。