さらに2009年6月にはプリカ法を吸収統合する改正資金決済法が成立し、1年以内に施行される。改正により、すでにプリカ法の対象だった「スイカ」や「エディ」に加えて、「WebMoney」などのサーバー型電子マネーにも対象が広がり、資産の保全とともに、事業廃止時の利用者への払い戻しが義務づけられることになった。つまり、有料のポイントのうち一定のものは、カード型でなくても、制度が突然廃止されたときに支払額の払い戻しを受けられるようになる。
一般の(無料の)ポイントについては、そもそも「おまけ」であるはずなのに、なぜトラブルが起きるのか。経済産業省は09年1月に公表した「ポイント制度に関するガイドライン」のなかで、問題の大半は「消費者の期待と発行企業の認識のズレ」との認識を示している。事業者にとっては「たかがおまけ」だが、消費者は「せっかくためたポイント」とみる。もし事業者が消費者に過度の期待を抱かせるような販促を行っていたとすれば、法律での規制と取り締まりが必要なはずだ。
経産省は法律での規制には踏み込まず、指針を示すことで事業者に自助努力を求めている。これは企業の創意工夫を潰したくないからだ。規制するのは簡単だが、そうなればポイント制度を設ける事業者が減る。企業間の競争が滞り、利用者はポイントを利用しづらくなる。過度の法規制は事業者、消費者の双方にとって望ましくない。
無用のトラブルを避けるためにも、事業者には公正な販売姿勢を求めたいし、消費者には自衛のためにポイントをため込まず、こまめに使うことを勧めたい。
※すべて雑誌掲載当時
(構成=プレジデント編集部)