ゼロゼロ戦争[コラム:ビールウォーズ最前線]

機能系市場が伸びている。15年上半期、発泡酒の販売数量を押し上げたのも機能系商品だ。

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発泡酒の販売数量増は機能系のおかげ!(PIXTA=写真)

4社からプリン体・糖質ゼロの発泡酒が出揃ったのは14年9月。この緒戦は、先行していたサッポロの「極ZERO」を制し、キリン「淡麗プラチナダブル」に軍配が上がった。キリンといえば、02年「淡麗グリーンラベル」糖質70%オフを発売、機能系市場の開拓者だ。

しかし、サッポロも黙ってはいない。極ZEROを人工甘味料ゼロのトリプルゼロに進化させ、さらに一歩先を行く。

そもそも13年に新ジャンルとして発売された極ZEROだが、国税庁から問い合わせがあり発泡酒に鞍替えしたという経緯がある。その空席に、ゼロゼロかつカロリーオフの「のどごしオールライト」を投入したのはこれまたキリンだ。

15年春、新たな火種が加わった。サッポロが世界初のトクホのノンアルコールビールを発売したのだ。キリンとアサヒはすばやく機能性表示食品で対抗する。

もつれ合いながらも成長する機能系市場。制するのはどっちだ。

(村上庄吾=撮影 PIXTA=写真)
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