生まれた年代ごとに「○○世代」とネーミングしてその特徴を考えるのは、遊びとしては楽しいものです。私が会長を務めるライフネット生命の2015年新卒採用サイトには、社員たちが年代ごとに「団塊世代」「バブル世代」「ゆとり世代」「氷河期世代」「ロスジェネ世代」と書かれた揃いのTシャツを着て、ずらりと並んだ写真を掲載していました(写真参照)。
実はこの写真は、「当社は年齢や世代などまったく気にしない、年齢フリーの会社です」というメッセージなのです。
私たちは会社の憲法である「ライフネットの生命保険マニフェスト」の中で、「学歴フリー、年齢フリー、国籍フリーで人材を採用する」と宣言し、就業規則にも「定年は設けない」と明記しました。
日本では今後、高齢化がますます進んでいきます。いつまでも年齢や定年制、年功序列などにこだわっていては、社会のほうがもちません。
ライフネット生命は2008年に営業を開始したばかりの若い会社ですが、社員の年代は様々です。4人の常勤役員も、30代、40代、50代、60代が各1人ずつとなっています。配属も年功序列ではなく、適材適所。十数人の部門の中で、部門長が一番若いというケースもあります。2012年は60歳を超えた社員を2人採用しましたが、上場企業で60代の正社員を新規採用しているところは少ないでしょう。
当社でいう「新卒」は30歳未満を意味します。人生の選択肢は、大学を出てすぐ、22歳で就職することだけではないはず。卒業後、大学院でさらに勉強したり、ボランティアやNPOで活動したり、世界を放浪したり。いろいろな人材に集まってもらうため、ライフネット生命では、採用の際にも会社説明会やOB面接は行っていません。ホームページで告知し、入社希望者には字数無制限の論文を提出してもらっています。