企業は誰のものなのでしょう。法律的に、ではなく、理念の上では、ということですが。株主のものだと言う人もいますし、従業員のものだと言う人もいます。また、顧客のために存在するものだと言う人もいます。ホリベ・トモヒロ(さいたま市、日本)


 

企業は株主のものです。株主が企業を所有し、支配するそれが現状であり、あるべき姿です。

身も蓋もない言い方をしましたが、誤解しないでください。あなたの質問は、けっして簡単な問いではありません。それどころか、企業の所有権、あるいはもっと一般的な表現にすると、企業への発言権(voice)にまつわる、往年の政策論争の根幹にあるものです。

たとえば労働組合のリーダーは、会社を支えている従業員は、もっと大きな分け前を得るべきだと主張します。

政治家は、交通量の増加、環境汚染など、企業が地元住民に与える損害について滔々と語り、コミュニティはその賠償を得るべきだと主張します。

また、社会活動家は、弱者を助ける強者の責任を声高に問います。

どれもが正論ですが、問題は、正論のなかに発言者それぞれの「隠れた目的」があり、その目的は、企業活動とほとんど関係がないことです。

組合のオルグ担当者は、組合員を増やし、財源を拡大するために、とにもかくにも会社を批判する。政治家にとっては、大きな敵を攻撃することは、有権者の支持を得るための手っ取り早い方法です。社会活動家は、最も安あがりな手段で自分たちの大義に関心を集め、その活動資金を募るために、えてして企業を標的にします。

企業がこれらの集団の主張に耳を傾けるべきではない、というつもりはありません。企業の将来は、意欲的な従業員と満足した顧客を生み出せるか否かにかかっています。企業はこの両者の声に耳を傾けなければならない。また、企業はコミュニティにおけるよき隣人として、社会の責任ある一員として、行動しなくてはなりません。

(回答者ジャック&スージー・ウェルチ 翻訳=ディプロマット (c)2006. Jack and Suzy Welch. Distributed by New York Times Syndicate.)

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