人生の「貯め時」を逃すな
長い人生には、「貯め時」といわれる時期が通常3回やってきます。
「貯め時」とは、比較的お金に余裕があって、貯蓄形成しやすい時期のこと。具体的には、
(1)独身時代
(2)結婚して子供が小さい間
(3)子供が独立してリタイアするまで
の3回です。
逆に、(1)~(3)以外は収支にあまり余裕がなく、貯蓄しにくい時期、言い換えれば「使い時」といえる時期があります。例えば、
(2)と(3)の間にある「教育費のかかる時期」
(3)の後にやってくる人生最大の使い時である「老後」
です。
▼今貯めて、あとで、使う
「収入」も「支出」も一生同じ額が続くのであれば、家計管理は難しくないでしょう。常に収入の範囲内で暮らしていけば、何の問題もありません。
しかしながら、現実は違います。
比較的一定額で推移する「収入」に対し、「支出」は住宅購入時の頭金、子供の入学金、車の買い換えなどまとまった金額が出ていくタイミングが何回かあり、その額の変動も激しい。
一生涯働くつもりでなければ、老後は年金生活になります。言うまでもなく、年金収入は現役時代の収入に比べて小さいものであり、それまでにどれだけ蓄えを形成できるかによって老後の生活の明暗が分かれます。
つまり、「収入」と「支出」が一定でないからこそ、「貯め時」と「使い時」が発生するわけです。
ということは、こうとも言えます。
「収入」をあるだけ使えないのは、将来の「支出」に備えるため。
年によって金額に変動があって、形のでこぼこしている「支出」という枠に、「収入」というピースをいかにあてはめていくか。家計管理とは、いわば「パズル」のようなものと言えるかもしれません。